【目を瞑る用心棒】72点
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監督:本木克英
製作国:日本
ジャンル:時代劇
収録時間:121分
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2019年劇場鑑賞30本目。
まずまずの令和初の時代劇映画。原作は大ヒットしてる模様ですが未読。時代は江戸中期であり、昼は鰻屋、夜は両替屋の用心棒を務める浪人、坂崎磐音を主人公とした話です。実在した人物ではありませんが、こういう感じで生計を立てていた浪人もいたのかもしれません。正直、殺陣シーンはもっと見応えのあるものにしてほしかったですが、両替屋同士のぶつかり合いが面白いのでそこはok。知能戦とまではいかないでしょうが、拳と剣だけではどうしようもない、頭脳も使わなければならない状況もやはりあるのだなと思わされました。
それにしても、田沼意次が出てきたのは嬉しかったですね。実際、南鐐二朱銀という銀貨が出回っていたのもこのころでして、この銀貨10枚程度で小判と替えれるわけですから、両替屋に人が殺到。ただ、これを繰り返せば小判の価値がみるみる下がってきてしまいます。逆にいうと、これを利用すれば対象の両替屋を潰すことも可能でして、田沼意次の改革を良しとしないとある両替屋が、坂崎を用心棒として雇っている両替屋に牙をむくのです。
江戸時代は世界的に見ても治安がよく、衛生面もよろしく、そして金融システムも当時世界トップクラスであったと言われます。そんな江戸時代に起こった一騒動。日本史の知識を持たない人が見ると、中盤はやや難しいかもしれませんが、なんとなくわかると思うので問題ないと思います。ただ、終盤がよろしくない。早くキリの良いところで終われば良いのに無駄に間延びしてそこが気になりました。悪党を頭脳の面でも、腕っ節の面でも倒せたところで幕を引くのが一番よろしいのかと。終盤でややげんなりとしてしまった節もあります。
とは言え松坂桃李も大活躍ですし、軽い気持ちで時代劇映画デビューをしてみたいという人にとっては中々の作品ではないでしょうか。