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居眠り磐音のDcatcHerKのレビュー・感想・評価

居眠り磐音(2019年製作の映画)
4.3
 日本ってきれいだなぁと思える。人情、風景、シンプルなのに綺麗。
 それぞれの家の佇まい。町屋。小川の流れと街並み。上から見た甍の波、そして自然。
 さらに、日本人の純粋な生き方。
 この映画は、そんな映像が続く。そして、久しぶりに音楽が印象に残った映画。
 坂崎磐音を演じた松坂桃李さんは、たくさんのドラマや映画に出演して幅広い役を演じ、成長著しい。剣の強さと優しさと、人間としての強さや弱さ、すぐに感情移入して、一緒に笑い、泣き、耐えた。
 幼馴染小林琴平を演じた柄本佑さん、河井慎之輔を演じた杉野遥亮さんも良かった。柄本佑さんは、両親、二人の妹(舞を宮下かな子さん、舞の妹・奈緒を芳根京子さんが演じる)を大切にするちょっとやんちゃな武士。杉野遥亮さんは真面目一徹で、一徹に妻舞を愛する生真面目な武士。二人とも、十分にその役を演じていた。もちろん、柄本佑さんは、ベテランで実績も抜群だから、当然かな。そして、親子共演した柄本明さんも、悪徳両替商有楽斎を演じ、善悪の対比を明確にする演技で、ストーリーを骨のあるものしたように思う。
 磐音に嫁ぐことになっていた奈緒を演じた芳根京子さんの純粋さ、今津屋の女中で金兵衛の娘おこんを演じた木村文乃さんのきっぷのよさも良かった。
 佐々木蔵之介さん、奥田瑛二さん、佐戸井けん太さん、ベンガルさん、橋本じゅんさん、波岡一喜さん、谷原章介さん、中村梅雀さんなど、脇を固める人たちも良かった。
 磐音の父親役を演じた石丸謙二郎さんの出番が少なかったのは残念だったけど。
 観終わったあと、琴線に触れるものがあったのか、いつまでも頭の中に重い感情が残った。
 映像、ストーリー、そして音楽ともよく、印象に残る時代劇だった。
 もう一つ印象に残ったこと、それは、今津屋の土間のシンプルなのに、きれいなこと。日本って、こんな清潔感あふれる風景がどこにもあったような。
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