ちっちゃなきょゥじん

居眠り磐音のちっちゃなきょゥじんのネタバレレビュー・内容・結末

居眠り磐音(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作、TVドラマともに未見ですが、奈緒の運命は大筋知っていました。
にも関わらず、その運命が磐音に伝わった瞬間から、涙が溢れ止まりませんでした。
そこにMisiaの歌声が重なり、劇場の照明が灯っても、しばらく放心状態でした。

やはり、何があっても愛する人は守ってあげなきゃいけないんだよね。
磐音が直面した悲劇も、そこで背負った負い目も理解できる。
それでも、自分を想ってくれる人は、守ってあげるべきだった。

ただ、奈緒も悲劇に翻弄されただけでなく、自分の意思でその道を駆け上り、耳目を集めるまで登りつめた。
何が幸せなのかは、単純には語れない。
ただ、奈緒はまだ磐音を想ってくれているのに、手の届かない場所に行ってしまった現実が哀しい。

と、芳根ファンとして、奈緒絡みの感想が先走りましたが、他の豪華キャストもキャラが立っていて、とても充実した2時間でした。

主演の松坂桃李は、人格俳優としての魅力を発揮してました。
番宣やバラエティでもみせる朴訥として、人の良さそうな感じが、普段はおっとりとして剣豪には見えないという磐音のキャラにハマってました。

世話好きな大家さんの中村梅雀、良かったです。
時代劇で彼の声がするだけで、安心します。

敵役の柄本明、怪演でした。
メイクも演技も、立ち過ぎるくらいにキャラが立って、何だかニヤけちゃいました。
ただ、手下に調べさせたのかもしれないけど、それほど磐音と接点がないにも関わらず、磐音の人生についてかなり踏み込んだことまで語る件には、若干違和感を感じました。