小本

リンドグレーンの小本のレビュー・感想・評価

リンドグレーン(2018年製作の映画)
4.0
 未来過去現在の時間軸が混ざる映画は多いが、これは本当に見事。手紙を寄せる子供達の声は次第に、過去の彼女自身であり将来の子供でもあり、ただの他者ではないのだということに気づかされる。一切の説明的台詞を排して状況に放り込まれるヒロインの表情が素晴らしかった。無邪気で闊達な少女時代から疲弊した母親の姿までをごくごく自然に体現している。赤児に与えられない乳房の痛みや、泣き声の意図が掴めない不安など、日常的に見過ごされそうなディティールも多く心掴まれた。人生の
、特に女性の不安定さ逞しさが描かれており、今の時世にも響く批評的な側面もある。カメラはもう少し安定していてもいいのではも思ったが。終盤に呟かれる「そっちに行っていい?」から幸福なエンドロールまですごく感動した。孤独なダンスもよかった。