みーちゃん

安市城 グレート・バトルのみーちゃんのレビュー・感想・評価

安市城 グレート・バトル(2017年製作の映画)
2.5
645年、唐の高句麗第一次出兵をドラマチックに描いており、子供と一緒に安心して観ることができる作品。

朝鮮半島の歴史とあわせてみると興味深いし、映画の要素としては、盛り盛りだけど、大河ドラマには仕立てずに、安市城での勝敗、この一点だけに焦点をあてたのは良かった。

始終、チョ・インソン演じる城主様と幹部達のリーダーシップや、安市城民との信頼関係が、ぶれることなく、教科書みたいに優等生だった。でも、そんな言い方をしたら意地悪に聞こえるくらい、ちゃんとおもしろかった。

特に、終盤、敵役の唐の皇帝・太宗が、自分の眼球に射られた矢を、自ら引き抜くシーンには驚いた。軍隊の最後方で命令だけしている、ただのお飾り大将に見えただけに、心を揺さぶられる演出だった。当たり前だけど、現代を生きる私達には、あの矢を受けても倒れずに、自分の目から引き抜くなんて、信じられない。(でも、刺さったままでも痛い)もし間近で目撃したなら畏敬の念で崇めるだろうし、伝え聞いたのなら神話になるだろう。(太宗は中国屈指の名君とされ、この4年後に、傷の後遺症もあり、命を落としたそう)

つまり、敵も味方も関係なく、誰の立場に立っても、どんな時代、どんな大義名分であっても、そして、どんなにエンタメ化しても、戦争には虚しさしか残らないと、改めて思った。…やっぱり教科書だ。