プライベート・ウォーの作品情報・感想・評価

「プライベート・ウォー」に投稿された感想・評価

regency

regencyの感想・評価

3.5
Filmarks試写にて。
実在する女性ジャーナリストの生涯を追った映画に『ヴェロニカ・ゲリン』があるが、こちらのメリー・コルヴィンは戦場ジャーナリストとして危険地帯にもバンバン足を踏み入れていく、昨今話題のフェイクニュースへのアンチテーゼとして描いている。
生前の彼女の映像と比較しても、ロザムンド・パイクは過剰すぎなぐらい、特徴を良く捉えて演じている。
今や“強い女”のアイコン的存在となったシャーリーズ・セロンがプロデューサーで参加しているのは、元々は彼女自身が主演したかったんだろうなという事が伺えて面白い。

アメリカ公開時にメリーの関係者から、スタンリー・トゥッチ演じるメリーの最期の恋人が、実際はかなり問題ある人物だったのにイイ人に描きすぎだという指摘があったらしいが、あのキャラクターは彼女が交際してきた恋人たちを組み合わせて創作した人物だと後で知り納得。

結末が分かっているため、鑑賞後どんよりとした気分になるのは致し方ないものの、9月に『荒野の誓い』、10月に『エンデベ空港の7日間』とロザムンド出演映画が連続公開されるので、まとめて観たいところ。
今年の秋はパイク祭り!
https://cinemarche.net/matome/rosamundpike-matsu/
ワンコ

ワンコの感想・評価

4.8
見えない目の見通すもの
「戦ってる人間の真実が曖昧な時、記者が伝えなくてはならない」
きっと、これが戦場記者の信念なのだろう。

「痛みを伴うのは常に人間の方で、政府は痛みなど感じないのだから」
この言葉にも強い信念を感じる。

「君が信念を失ったら、僕たちはどこに希望を見出せば良いのか」

この後、メリーは、アイパッチを外す。
彼女の見えなくなった目は、実は、戦争の背景にある暗い真実を見通していたのではないか。

いや、人間の争いの醜い部分を見通していたのではないか。

いや、本当は、争いの無い、未来を見ていたのだと強く信じたい。

動画で、稲田朋美が、日本会議の面前で、日本人は自ら血を流すべきと主張する演説を見たことがある。
この人や改憲を主張する人達の本質は、これだ。

そのくせ、こうした輩を支持する連中は、戦場記者の安田さんのシリアでの拘束について批判を展開する。
きっと、真実を知られたくないからだ。

血を流したければ、自分自身で行けば良い。
誰も止めやしない。
女性は強い。好き。
ゆり

ゆりの感想・評価

3.3
女性強い。
zogli

zogliの感想・評価

2.6
ドキュメンタリーみたい!と思ってたけど、病院に運ばれてきた負傷者につける酸素マスクが無線😂😂😂 どこから酸素供給されてんだよ!って急に冷めてしまった

トムホランダーの芝居がとても良かった

スタンリートゥッチみたいなひと探したい
失明した恐怖に少女の遺体。度重なる恐怖のフラッシュバックに怯えながらも、使命を抱えて何度も戦場に戻ってくる女性の物語。その姿はジャーナリストと言うよりも『ランボー』のような心に傷を負った孤独な兵士。この映画では英雄としてだけでは無く、1人の繊細な感情を持った人間としても丁寧に描かれている。
ただ、監督はドキュメンタリー出身なんだけども、ちょっとドキュメンタリータッチにするのかドラマチックにするのか定まっていないような気がしたかな。多分メリー・コルビンを尊敬するがあまり彼女の生活を描き過ぎちゃっている部分はあると思う。
それでも眼帯にタバコに酒。あくまでも自立したジャーナリストとして、カメラとノートとペンだけで真実に迫ろうとする姿は鬼のようでありながらも同時にとても魅力的だった。ロザムンド・パイクがカッコ良くってピッタリだったし、シャーリーズ・セロンがプロデューサーだったという所も上がる!
舞台となる国が結構変わってその国の情勢等がわかりずらかった
カダフィ大佐って国はどこだったけ?とか
個人的に主演のパイクさんがあんまり好きではないのかも
afilmism

afilmismの感想・評価

4.0
実話に基づく戦場記者の映画。
どんなに危険な状況でも、恐怖や痛みを味わっても、現地から報道して弱者を守ろうと彼女を駆り立てる使命感は、どこから来るのか?最後まで明確にはされなかったけれど、突き動かす背景よりも、戦場記者とは何か?考えさせられた。

周囲の反対を押し切って戦場に赴く彼女。
部下同士競わせたり、体良く扱う上司。
それはある意味個々人の自己満足かもしれないけれど、結果、社会に影響を与え、戦場に行かずとも私達は知ることができる。
それを享受することも、義務だと思った。
Toritori8

Toritori8の感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

実在の戦争ジャーナリストであるメリー・コルヴィンの伝記作品。なかでも野戦病院でのシーンが圧巻でした。以下、印象的だったメリー・コルヴィンのセリフについて述べます。

ーー戦争報道とは
「戦争報道とは、人が死に、自分が死ぬかもしれない場所に行くことである」
 →死地に向かう戦争ジャーナリストの気概を感じました。彼女は作中でも、現実でも戦地で命を落とすのですが、覚悟の上とはいえ、余りにも悲しい事態。物語の終盤にかけて、もう十分やった、逃げてくれと心の中で何度叫んだことか…。

ーーバタフライ効果
「(戦争報道で現実が変えられるかとの問いに)人々が関心を持つと信じている」
 →人々の関心を呼び起こし、国際世論を形成する。そうして、紛争地に救いの手が差しのべられる。たった一報の短信や一枚の写真が世界を動かすことも確かにあります。報道の力を信じているからこそ出た言葉だと思います。

ーー真実の担い手
「戦っている勢力が真実を曖昧にするときにこそ、真実を伝えなければならない」
 →正確に伝えなければ真実がねじ曲げられかねない危機感の表れ。ジャーナリストがいずれの当事者にも与せず中立であると宣明しています。

ーー勇敢さ
「老いた記者と勇敢な記者はいるが、老いて勇敢な記者はいない」
 →危険と隣り合わせの現場で、いつまで現役でいられるのか。引退のタイミングの難しさを示していると思います。

ーー戦争とは
 マーサ・ゲルボーンの著書によれば、「政府は戦争をいとわない。なぜなら現実に負傷することはないから」とされており、また、メリー・コルヴィン曰く、「戦争は、限界を超えて生きる民間人の静かな勇気である」とも。
 →前線の兵士ももちろん命懸けですが、いつの時代も最も割を食うのは無辜の民です。メリー・コルヴィンが心を寄せたのはそうした民間人でした。

ーーPTSD
「人体のもろさや、いかに簡単に金属が人の身体を裂くのかを一度見てしまうと…」
 →凄惨な紛争の現場がいかに人の心を摩耗させるのか。「PTSDは兵士がなるもの。私は正常よ」とのセリフもありますが、精神にダメージを受けて動揺したアンビバレントな感情が滲み出ていました。

ーーシリアにて
 野戦病院の母親曰く、
「一世代が死につつある。この状況を伝えてください」と。
 メリー・コルヴィン曰く、
「飢えて無防備な2万8千人の民間人が寒く過酷な環境に残されている」と。
 →2012年のシリア・ホムスは、1分間に47回の爆音が轟く環境。そんな中で民間人のために報道を続けた信念の崇高さに敬服します。

ーー恐怖の先に
「恐怖を感じれば行きたいところにはたどり着けない。恐怖は全てが終わった後に来る」
 →感情のスイッチをオフにできるという彼女の特別な才能が戦争報道の成果をもたらしましたが、同時に彼女の命をも奪ってしまいました。戦争報道の困難さが際立っていたように思います。

ーー総評
 本作は、メリー・コルヴィンという"信念の人"の業績を知ることのできる作品でした。ロザムンド・パイクの剛毅な演技も見所です。大変見応えがあり、多くの方々におすすめできる映画であるといえます。
>|