福福吉吉

ザ・ネゴシエーションの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ザ・ネゴシエーション(2018年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
ソウル市警の警部補のハ・チェユン(ソン・イェジン)は交渉人として人質の死を目の当たりにして辞職を考えていたところ、犯人ミン・テグ(ヒョンビン)がチェユンを交渉人に指名する韓国人拉致事件が発生する。犯人のミン・テグの目的、国家情報院の関与など状況が分からないまま、チェユンは人質を救出すべく交渉を開始する。

◆感想◆
警察の交渉担当の主人公が犯人との交渉を続けながら犯人の目的を明らかにしていくストーリーとなっており、人の命を軽視する犯人との緊迫した交渉とその裏に隠された犯人の目的が上手く描かれていて、最後まで目を離せない作品となっていました。

ストーリーの最初にハ・チェユンが交渉人として犯人・人質が共に亡くなる事件に立ち会ったことで、警察を辞めようとしており、人質の死に対して大きく動揺する姿が描かれます。ストーリー前半のチェユンはまだまだ経験の浅い人物といった雰囲気で、相棒のアン・ヒョクス(キム・サンホ)に尻を叩かれながら前へ進んでいく姿が印象的で面白かった。

ミン・テグがマスコミの記者とチェユンの上司を拉致して交渉人にチェユンを指名したことで再び交渉の場にチェユンは立つことになります。ミン・テグの人質に対する容赦のなさが彼の凶悪さを醸し出していて、観ている側に強大な敵が立ち塞がったことを実感させてくれました。

ストーリーが進むとともに、ミン・テグが次々と関係者らしき人物を指名して呼び出すのですが、それによりミン・テグの目的や政府側が隠そうとしている事実が明らかになっていき、これまでに輪をかけて緊迫感が高まって、ミン・テグへの興味をそそられました。

ストーリー終盤はいかにも韓国作品だと実感させる人間関係の醜さや生々しさを感じさせるとともにチェユンの純粋な思いが伝わってきて心に響きました。

ミン・テグというキャラクターの魅力と共にストーリー構成の面白さがあってとても楽しめました。

鑑賞日:2025年4月18日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2024年6月12日)
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