明石です

カイジ 動物世界/動物世界の明石ですのレビュー・感想・評価

4.7
いやあ、、ざわざわしたぜ。

定食につかず自堕落な暮らしに耽っていた男が、同僚に騙され借金を背負わされ、アヤシイ船へ乗船を余儀なくされてしまう!ついでに植物状態の母親と、結婚を心に誓った幼馴染を養うべく、というおまけ付き。ストーリーは普通にカイジなので過不足なく面白い。細部には粋なアレンジが効いてて、例えばゲームに負けた人は、地下帝国ならぬ地下の実験場に連れて行かれ人体実験のモルモットにされるという!怖スギ!!

中国の映画なのだけど利根川役のマイケル・ダグラスをはじめ、帝愛側もエスポワール号(本作ではデステニー号)の参加者側も、アラブ人やらロシア人やらフランス人やらと国際色豊かで、ほとんど国境を感じさせない作品と言って差し支えないほど。利根川ダグラス曰く「この船には国境も階級もモラルもない」らしい。

そして主人公カイジ役の俳優さん、雰囲気、とくに目つきが漫画のカイジに似てて素晴らしい人選だなと思う。こういっちゃナンだけど、藤原竜也よりはるかに本物っぽい笑。あの人は服装や髪型で負け犬感を醸し出してたけど、この中国カイジはいい意味で素で野生的なルックス。そして裏で糸を引いてるマフィア風の男の名前が「安藤」で笑った。なんて悪そうな名前!

とはいえ全編通して主人公のめくるめく妄想世界を表現したCGがかなり主張強めで、お金が余ったの?というくらい度を越した技術の無駄遣いに笑う。騙し合いの頭脳ゲームが主体の映画に持ち込むべきじゃないレベルの映像表現はやはり気になるなと。マーベル映画じゃいんだから、、と突っ込まずにはいられない笑。とはいえ本家の劇場版のあのジョジョの奇妙な冒険並みに解説の多い1人語りには少々やきもきさせられることもあったので笑、この主人公の語りをほとんど排して映像主体で魅せる感じも悪くないかも?とも思った。

ラスト付近で石田のおっちゃんを救うシーンにはうるっときてしまった、、漫画は読み劇場版もアニメ版も何度も見てこの展開は知りすぎてるほど知ってるはずなのに何度でも泣けてしまう。金のために幼馴染を裏切る親友と、金を捨てて見ず知らずのオヤジを救うカイジ。「俺は小さい頃に親を亡くしてるから分かる。息子は高価な薬より父親が生きてることを願う」カッコ良すぎる!!こちらの亜流も捨てたもんじゃないですね、主人公は本家以上にカイジ似の俳優さんだし。

TO BE CONTINUED…らしいのでぜひ続編に期待!!
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