ケイスケ

カイジ 動物世界/動物世界のケイスケのレビュー・感想・評価

3.7
カイジの中国版リメイク。藤原竜也主演の3作目も公開されますし、こちらを先に見てみるのもいいかも。副題の『動物世界』はいらないかなあ。一応「ここじゃ俺たちは動物だ」みたいな台詞はありますけど、ぶっちゃけよく分からん。

本作は丸々2時間『限定じゃんけん』が行われます。藤原版カイジの1作目は鉄骨渡りとEカードもやるため、限定じゃんけんだけに絞った本作はより高度な心理戦が行われます。藤原版では結構、端折ってましたしね。

話の導入部は原作とだいぶ違います。カイジはバイトに遅刻したりとかしてますが、車のエンブレムを盗むようなクズさはありません。むしろ寝たきりのお母さんを気遣う優しい子。しかし儲け話に唆され借金を背負うことに。そこでエスポワール号ならぬデスティニー号に乗せられます。

本作の利根川に当たる人物はマイケル・ダグラス演じるアンダーソンさん。…ってマイケル・ダグラスかよ!なんの予備知識も無く見てたからビックリしたわ。安藤は黒服の一人になってますね。安藤のくせに強そうだな。

本作で最も好みが分かれるところはカイジの妄想シーンでしょうね。幼い頃のトラウマからピエロのアニメが頭から離れないカイジは、事あるごとにピエロに扮して怪物を殺しまくる妄想癖があります。それ以外にも唐突に始まる妄想カーチェイスなど、正直「これいる?」と思うところも。

ただこのケレン味ある演出は本作に限っては、まあ無しじゃないかな…と。恐らくこれは監督の今後の作品にも活かされるのでは。限定じゃんけんの仕組みや心理戦はかなり分かりやすく描いてるし、続編もありそうなので次回作では迫力の鉄骨渡りが見られるでしょう。藤原版の新作も期待してます!