バナバナ

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士[完全版]のバナバナのレビュー・感想・評価

3.5
1時間4話の完全版の感想です。

第3部は身動きとれないリスベットに、1話から3話までかけて、じわじわと包囲網が狭まっていきます。
ここら辺までは面白かったのですが、「およよ…」と思ったところは、
第2部から亡命スパイという設定が出てくるのですが、
小説『消されかけた男』みたいな丁々発止の頭脳戦が展開される訳ではなく、
単に亡命スパイという“箔”を、変態の人格破綻者の男につけたかっただけみたいなんです。

そして第3部では、そんな亡命スパイのバックに付いていた組織がリスベットの敵になるのですが、
彼らが新たな殺人を犯してまで守りたいものが、亡命スパイを匿っていた事そのものなのか、
はたまた、その変態亡命スパイに自分達が汚い仕事をやらせていた事を隠したいのか、
そこの所が全く触れられていないので、どうして彼らが未だにそこまでやるのかが、謎のままなのです。

そして一番いけないところは、4話目で舞台は裁判に移るのですが、リスベットを支援する人たちのコネクションが強力すぎる、という事です。
ハリウッド映画で言ったら、いきなり「×××の大物と知り合いでした」みたいな話になっちゃってますよ。
「そんなうまい話あるかいな」と言うよりほか、ありません。

色々と貶してしまったけど、さりとてリスベットを最後まで応援したのは、このレズビアンでパンクのネエちゃんに、かなり魅力があったからなのでした。
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