男根中心主義というかそういう社会構造への批判性を露わにするならもっと真摯にやるべきだと思うし、そこまで深く掘り下げる気がないなら最初からそんなニュアンスを作品に付加するべきじゃないと思う。この作品に限ったことじゃないけど、この手の女性エンパワメント作品って結局女性チームが暴力によって男性に優越して男性に一泡吹かせるという構図ばっかりだし、そんな悪質なフィクション（現実の女性たちには不可能なこと）を見せてあらぬ夢を持たせることって倫理的にどうなんだろうという気にもなる。女性が男性に対してファルスを突き立て返してる図式を見てみんなで耽美するって病的だし、そんなのってエンパワメントじゃなくてポルノに近い気もする。アクション映画なんて享楽そのものだろとも思うけど、この映画は本当に社会に根底から染み付いてる問題に敢えて踏み込んでいるがゆえに、そういう安易な"勝利"を見せられて、あー楽しかった！なんて感想にはなれないと思う。普通の神経してたら。
でもみんな楽しんでるし高評価みたいだから俺の頭がおかしいだけなのかもしれない。
近接格闘シーンのアイディアは素晴らしい！
