atsushi

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYのatsushiのレビュー・感想・評価

3.7
2020/10/19 1回目
【2020年215本目】
冒頭のカートゥーンが、ほぼ全編の毛色を表しているよう。アメコミ映画の中でも際立って古き良きコミックの世界観が表現できている気がする。まるでゴッサムシティというテーマパークに居るような錯覚。

ハーレイクイーンというキャラクターの特性上、否応にも比較の対象にデッドプールが挙がってくる。時折、カメラ目線で語りかける姿は同じく第4の壁を越えるカートゥーンアニメ「ルーニーテューンズ」を彷彿とさせる。

ユアンマクレガー演じるヴィランはプロトタイプな男性性の象徴として、自立した女性と対になる。「キャプテンマーベル」然り。ヒーローと「自立した女性」の親和性を思う。
誤解を恐れず言えば、「自立した女性」を体現するのに、これ程好都合なロールはないのだ。それでなくても、昨今、ヒーロー映画にも現実の社会問題を反映させた作品が増えつつある。
「映画」が社会問題の鏡としての役割を担っているのならば、ヒーロー映画も同じだろう。社会派とエンタメのバランスという作り手の課題を巧くクリアしているのではないだろうか。今作は見事にさりげなくエンタメの中に社会派を内包していて見易い。

デヴィッドエアー→キャシーヤン→ジェームズガン、ここまで短期間で複数人の手で映像化された作品も稀有だろう。良い素材なのは周知の事実であり、ジェームズガンにはさらに期待がかかる。
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