このレビューはネタバレを含みます
え?これってニコール・キッドマンなの?!
っていうくらいの変貌っぷり。特殊メイクによるシミやシワ、クマのひどい顔。そして超エモーショナルな演技とハードなアクション。華やかで美しいいつものニコールっぽさは皆無です。見た目も生き方もかなりダーティー。
おとり捜査でミイラ取りがミイラになっちゃう話。
こういうクライムアクションな作品にも、ニコールが出るんだと驚きましたが、良くも悪くもニコールらしいあの感じからニコール本人も脱却したくて、インディーズ作品ながらもこの脚本が気に入って、役を引き受けたんじゃないかと思います。知らんけど。
シャーリーズ・セロンあたりが同じようにつくり込んでこの役をやっても、そつなく無難な仕上がりの作品になったと思うけど、ニコールがこういう役をやるという意外性が、この作品の大きなポイントと味わいになっていると思います。
冒頭で登場した殺人現場のシーンから、17年前の銀行強盗の主犯格サイラスがその殺人の犯人で、ニコール扮するエリンがサイラスを探し出していくストーリーに見せかけおいて、実は殺人現場の死体がサイラスで、エリンが恋人のクリスの復讐で射殺したことがラストでわかるという仕掛け。時系列の入れ替えによるどんでん返し。かなり楽しめた作品です。