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アド・アストラのpenguinwhipperのレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
3.5
ジャパンプレミアにて観了。
アドアストラ…ラテン語で星の彼方へ。
孤独から早く逃れたかった男(息子)と
孤独を永遠に追い求めた男(父親)の
邂逅のない愛情の話。
星の彼方へ行っても贖いきれないものを抱えて答えを求める人間の悲しさよ。
SFというよりもヒューマンな内容にグッと寄せてきていた。
ある種、2001年宇宙の旅にリンクするようなストーリーだった。

虚無感に満ちた宇宙空間の描写と主人公の虚無感がないまぜになって、観てるこちらとしてはずっと緊張感があった。
表情のアップが多いので、自然と感情移入しやすいのかなと思った。
(意図的に登場人物全員のアップが多かったように思う。予算故なのか、ストーリーを盛り上げるための意図的なのかはわからないけど)

映像美が飛び抜けている。
あの美しい宇宙空間は、大スクリーンで観て欲しい。
CG少ないとの事だけど、たしかに表情のアップやコンクリ打ちっぱなしのような無機質な背景、水の存在を感じさせない砂漠などをうまく使い背景にCGを用いずとも宇宙っぽさを醸し出していて、うまく撮影してるなって思った。
それをして尚、宇宙の広大さや一歩間違えれば死に直結するような厳しさを感じさせた。撮影は本当に素晴らしいと思った。
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