MasaichiYaguchi

ベラのワンダフル・ホームのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ベラのワンダフル・ホーム(2019年製作の映画)
3.8
タイトルや作品の世界観が「僕のワンダフル・ライフ」「僕のワンダフル・ジャーニー」に似通っていると思ったら、同じ原作者の小説によるものであり、更に原作者が脚本を担当していて、人と犬との強い絆が温かく描かれていて、愛犬家には堪らない内容になっている。
物語は主人公の雌犬ベラと飼い主となるルーカスとの運命的な出会いから始まり、様々な事情で遠く離れ離れになり、ベラがルーカスの下に戻る為の旅がドラマチックに繰り広げられる。
何故ベラがルーカスと離れ離れにならなければいけなかった最大の要因は、ベラがピット・ブルという犬種だったことにある。
正式名称はアメリカン・ピット・ブル・テリア(American Pit Bull Terrier)で、アメリカで改良された闘犬用の犬種である。
この犬は噛む力が強く、攻撃的な性格で人間を噛み殺すこともある為、複数の国で輸入や飼育が禁止されている。
だから本作の舞台となっていたコロラド州デンバーも、この犬を野外に出すことを法律上禁止している。
それが災いしてベラは「母をたずねて三千里」ならぬ、デンバーを目指す600キロの家路の旅をする羽目になる。
この長旅でベラは様々な人や動物たちと出会い、その中で“繋がり”や“絆”の大切さが浮き彫りにされていく。
原作者のW・ブルース・キャメロンは犬と人との関係を「愛による相棒同士」として優しさと温かさで包み込んで描いていて、犬好きのハートを震わせます。