肉鹿

アワ・ボディの肉鹿のレビュー・感想・評価

アワ・ボディ(2018年製作の映画)
4.0
大学卒業後、公務員試験に落ち続けている31歳女性。受験をやめる決心をして座り込んだ夜の階段。手を滑らして転がっていくアルコール缶を拾ってくれたのは若くて美しいランナーでした。

前向きに健康になるために走ろうとしてないのがすごい好き。
仲良くなる女の子共々、不安から逃げ切るために走ってる焦燥感があるのが暗いけど現代的で心地よさまで感じてた。その説明をセリフじゃなくて、ランニングシーンなどで感覚的にわかる撮り方してるのも気持ちいい。

さらにセックスが彼女にとってなんの救いになってないのも印象的。
彼氏とのセックスは上着を着たままだったのがあまりに日常的で冷め切ってるのを表現できててよかったし、寂しさを埋めるためのセックスも熱量なんて1℃も感じない。ただの行為みたいでずっとひんやり。

それとは逆に走り続けていくうちに脂肪が燃焼して引き締まり、憧れだった彼女の身体に近付いてからの主人公の熱を帯びた行動は想像の余地が多くて好き。望んでた願いを叶えてあげて、彼女の魂を自分の身体に宿してるような偏執的な愛にも見えるよき歪み方に哀愁感じてた🤤

Our Body。私(My)じゃなくて私たち(Our)なのがとても意味がある再生の物語だと思う。
アン・ジヘの横顔の美しさも必見。鼻筋が綺麗🤤
肉鹿

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