ハンスウ

アワ・ボディのハンスウのレビュー・感想・評価

アワ・ボディ(2018年製作の映画)
3.3
韓国では40年近く前に国立の映画学校ってのができて、そこからゴロゴロとジャガイモみたいに掘りおこされるように映画監督が誕生してるらしいんです。先日観た「おひとりさま族」もそうだけど本作もそこの卒業生、女性監督のデビュー作。ちなみに「野球少女」なんかもそうみたいです。つまりこの辺の監督たちはみんな、私の知ってる限りポン・ジュノやホ・ジノの後輩ということになるようです。もちろん他にも韓国で映画監督になる手段はあるんだろうけど、でも、この映画学校の影響力は計り知れないということが言えるかもしれませんね。すごい!

主演の女優さんは初めて見る人だなあと思ってたら、石井裕也監督の「アジアの天使」に出てる人で、普通に見たことがある人でした……

監督はこの主演女優さんをうまく使って演出し、印象に残る映像もうまくできたんじゃないかな。決して美人でもないし他の人より背も低い地味な人だけど美しいヒロインが描けていたと思います。

本作はよくある「女性の生きづらさ」をネタにしてますが、監督が独自のアプローチを考えて取り組んだなかなかの意欲作。走ることを通して心も身体も変わっていくという変貌を描いてますが、どこまでも世界が広がってるわけではなく、やっぱり行き止まりに突き当たってしまう、というようなことを映画にしたんだと思います。
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