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草の葉のmareのレビュー・感想・評価

草の葉(2018年製作の映画)
3.5
カフェのパーソナルな空間のみを切り取った不思議な群像劇。2人で親密な話をしている光景はありふれたものだが、そこに盗み聞きという成分を加えて、それを斜めに見ている独白がまあまあ意地の悪さを感じる。色んなテーブルで行われる色んな会話、日常的とはいえ映画的に立ち上るぼやけた生と死の対比。背景も生活もハッキリとした形では現れないから想像するしかない。ラフに見せながらも重たい会話劇を描いていく様はやはりホン・サンス。果たしてこれらの会話が最終的に解決策を見出せたのか。モノクロの画面が侘しさとダイレクトな心象風景を醸し出す。
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