オカルトチャンピオン

足跡はかき消してのオカルトチャンピオンのネタバレレビュー・内容・結末

足跡はかき消して(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

父親は娘と国立公園内の森で暮らしているが、ある日生活しているところを見つかってしまい、社会と接することで悩む親子のはなし。

最初はとても仲睦まじく森での生活を楽しんでいるように思えていたけど、訓練と称して森の中で隠れる遊びをしていたり、この親子には何かがあるんだろうなと感じていた。
強制的に社会の中に入れられることで娘はいろんなことに興味が沸いてもう森の中に戻ることの意義を感じなくなってしまっているけど、父親は彼の口から語られることはほどんどないのだけれど、どうやら退役後、PTSDになってしまったようで人間と関わることがどうしてもできないみたいだ。

娘にちゃんと努力したの?って聞かれてもやはり言葉少なく森にまた戻っていく。

最終的に親子の別れが訪れるわけだけど、これはもうどうしようもないというか、普通なら、おい、親父!もっと頑張れよ!娘のこと1番に思ってお前少しは我慢しろよ!ってなるけど、ほんとにもうどうしようない。
父親も娘が大事なのは十分わかる。大切なものが入っているジップロックみたいな袋には娘の乳歯が入れてるんだぜ。
彼にとってはめちゃくちゃ娘がかわいいし、大切なんだよ。
でも、できない。それほど戦争ってもんが人を壊すおそろしいもんだってことだよな。

娘が父親に蜜蜂を見せるシーンが良かった。"人間は500回刺されても大丈夫なんだよ、怖がる必要ない"って語りかけるところじんわりきた。

もしかしたら近くにいるかもしれない別れた父親のために、食料を森に届けるラストもとても良かった。

デブラ・グラニック監督作品は初めて見たけど、とても好きです。ウィンターズ・ボーンもずっと見たいと思ってる。早く見なきゃ。っていう感想。