でしょうかな

足跡はかき消してのでしょうかなのレビュー・感想・評価

足跡はかき消して(2018年製作の映画)
4.0
森林公園で人目につかないよう隠れ住む父と娘。しかし隠れ家が警察に知られ、父娘は与えられた住居での暮らしを命じられる。娘は現代的な生活に馴染んでいく一方、父はひどく苦痛なようで、ある日、娘を連れてそこから逃亡する。

孤立でしか癒やされない者もいる。
父はかつて戦争でPTSDを患い、妻の死後は娘を連れて外界との交流をほぼ断って生きていたらしい。娘は心にそこまで深い傷を負っているわけでもなく、二人きりの生活を楽しんではいるが、他者との交流を嫌ってはいない。だから、保護されて人里で暮らした時に、彼らの差異が浮き彫りになる。森で頼りになった父親は、実際にはそこでしか暮らしていけない人間であることを、娘は理解していく。その残酷さとラストの切なさが、胸を締め付ける。親子の物語であり、終わらない戦争の物語でもある。
2004年、オレゴン州の森林公園で隠れ住んでいた退役軍人の父とその娘が保護されるも、僅か一ヶ月で貸し出された住居から姿を消したという実話から着想された物語だという。
でしょうかな

でしょうかな