パリに住むダヴィッド（バンサン・ラコスト）は姉と姪のアマンダ（イゾール・ミュルトリエ）の近くで暮らしていたが、突然の銃撃事件で姉が死に、恋人レナ（ステイシー・マーティン）も負傷する。ダヴィッドとアマンダの心は傷ついていたが、生活を共にし次第に絆が生まれていく。
冒頭の静かで平和な生活と、事件後の静かだけれど崩れ落ちそうな日常の対比に胸が痛む。
残されたダヴィッドとアマンダの生活に大きな事件は起きないけれど、彼らのあらゆる仕草に心の傷が表されていた。
久しぶりに会った知り合いに、姉の死をすぐに言えない場面なんか、すごくリアルで泣けた。
何より、レナの恐れやアマンダの落胆、ダヴィッドの葛藤など、たくさんの無言による語りが見事だった。
序盤、シングルマザーのお姉さんが、育児の時間と恋愛の時間をきっちり分けるあたりはアメリカ以上だなと思って観てたんだけど、きっとこれからのダヴィッドにはそんな余裕もないんだろうなー。
親になる勇気は凄いこと。たくさんの困難にぶつかるだろうけど、きっとこの2人なら大丈夫だろう。
血のつながりが最上とは思わないが、肉親を失う姿に家族の大切さを再認識させられた。
