MaU

アマンダと僕のMaUのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
3.6
Elvis has left the building.(ショーは終わった) 冒頭で英語教師の母サンドリーヌが7歳の娘アマンダに教えたフレーズ。エピソードを調べ、エルビスの曲をかけて親子で躍り歌う。素敵な親子で、これが日常で、そこにたまにかかわってくるサンドリーヌの弟のダヴィッドもそこそこ幸せで暮らしていた。そんなささやかな幸せが突然奪われたとき、人はどうなってしまうのか。これは、そんな心の再生の物語。

アマンダもダヴィッドも心に喪失を抱え、それでも日々を紡いでいく。笑える日もあるし、怒る日もある。そこにふとよみがえってくる哀しみ。簡単には乗り越えられず、この先もどうなっていくのか見えない。それでも寄り添って、共通の思い出と傷を持ち寄りながら生きていく。淡々と描かれる二人の日常と、ダヴィッドのいくつかの決意と選択に、なんともいえない温かい涙が溢れてじわっと泣けた。どうかアマンダが自分の心に正直に泣いたり笑ったりできる日々でありますように…

アマンダ、大丈夫。ダヴィッドがいてくれるから、Elvis hasn't left the building yet ! ウィンブルドンを見るたびに、観客席にアマンダを探してしまいそう…
MaU

MaU