Haco

アマンダと僕のHacoのネタバレレビュー・内容・結末

アマンダと僕(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

◆『泣ける』映画???
◆映像で「語る」
◆きっと、誰かの中で生きていく

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◆『泣ける』映画???

個人的には「うわ、号泣😭」って感じではなく、自分の気持ちと重なった時にじわりと涙が出てくるような映画でした。そんなところがむしろ良い。
いわゆる『泣ける』映画ではない、というところに共感。

思いもしなかった時に突然悲しみが押し寄せる。
でも次の瞬間、他の誰かに会う時には、普通の顔もしている。
みんなそんな風に生きているのかもなあ、なんて……。

悲しくてどうしようもなくいたたまれない気持ちになった時、ひとりでトイレに行くのが結構辛かったなあ(否応無しに孤独になるからです、今は笑い話にできますが……笑)とか、思い出したり。


◆映像で「語る」

映画って、やっぱり映像で「語る」ものだよなあと思わされました。

木々と葉の揺れを映し出すにしても、『マイ・ブックショップ』の映像と全然違うんだもん(比べているというよりかは映像の面白さとして。どちらもそれぞれ良い映画で、大好きです)。
『アマンダと僕』に出てくる木々の映像は、静かだけれどどこか爽やかで、優しい光が当たっている。細部を見てもすごく面白い映画。

テロの瞬間も、ニュースで見るような言わば「衝撃的」なものではなく、
じわりと、でも、しっかりと、確かに目の前で起こったことなのだと分かるような映像で。


◆きっと、誰かの中で生きていく

「悲しみや憎しみの先にあるべきものをこの映画は教えてくれる。」
−−映画評論家、松崎健夫さんのことば。

もし、いなくなってしまっても、もう会えなくなってしまっても、生きていなくても、

その人が与えてくれたものは
必ず他の誰かの中で生きていくんだ。

母がくれた言葉は、アマンダの中でしっかりと生きています。
私もその瞬間、笑いながら泣いてしまった……。

寄り添いながら生きる二人を、
これからも一緒に見守りたいような気持ちです。
Haco

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