安堵霊タラコフスキー

ザ・リバーの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ザ・リバー(2018年製作の映画)
4.0
バイガジン久々の新作は、前作程度ではなかったもののやはり中々悪くはない表現の作品であった。

荒地で暮らす五人兄弟を中心とした、ドラマより表現を重視した作品でメリハリの点で少し問題があったかと思いつつも絵画的な映像の多さは相変わらず良いものだった。

しかしそれでいて寓意的内容だったこともあってか、監督がこれまた重視していたらしい人物の内面の変化も中々わかりやすいもので、この点もドラマを優先しないスタイル故かと思った。(ドラマ性が強いと展開の方にばかりフォーカスしてしまって時には人物の表現すら疎かになってしまう)

多少緩慢なところが無きにしも非ずだったし、象徴的な場面も多くて意味を把握しかねたところもあったけれど(最後の踊りが精神の開放を表していたとか)、こういうドラマ性より表現を優先する姿勢が感じられると好感を抱いて評価が甘くなるから困る。