mingo

シレンズ・コールのmingoのレビュー・感想・評価

シレンズ・コール(2018年製作の映画)
3.8
スクラップアンドビルドが進むイスタンブールという場所性をうまく利用した東欧ver現代ジャックタチ風のブラックコメディ。悲劇や怒りを物語に描くことで消化させるエンタメ力はなかなかの出来。「モンティパイソン」というよりは無計画に建ち並ぶ高層ビルからは「プレイタイム」「トラフィック」からのオマージュが強いか。
何より一番は音程の外れたトルコ行進曲が印象的だ。ロンドという形式は劇中でぐるぐる動き回る主人公にぴったり、街の現実と音楽をうまくマッチさせた演出に舌を巻く。全編を通して、よく作り込まれた秀作。コンペはとるには惜しいが観て損はしない一本。
mingo

mingo