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ジェミニマンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ジェミニマン(2019年製作の映画)
3.4
事前情報のまんま、老いたウィルスミスと若いウィルスミスの話。クライヴオーウェン、おじさんになったな〜。役作りであると信じたい。

もっとSFと言うか、近未来というか、壮大な世界のテクノロジーと陰謀とクローンとかマシーンの反逆的なものかと思いきや、結構ハートフルな話。

そして、もっと近未来的ガジェットというか、ありがちな機械を支配して利便性を図る人間が足元を掬われる的な言うなれば『アイ、ロボット』のような無機質なマシーンと無骨なアナログ人間の話かと思いきや、意外と肉体と肉体のぶつかり合い。アクションが多い。

スゴいのはこのウィルスミスとウィルスミスの対峙。先日の『ターミネーター』のジョンコナーしかり、もはやこの映像技術が罷り通るならば、何でも誰でも作れて演じれちゃうじゃんと言わんばかりの2人のぶつかり合い。

初対面のバイクチェイスからの攻防はすごい迫力。もともとスナイパーとして才能を買われてるウィルスミスと、その遺伝子からなるクローンの若きウィルスミスの追いつけ追い越せの、同じ遺伝子が故の、同じ思考回路であるが故の、お互いの先の読み合い、先手の取り合い、あの手この手の攻防は普通の他人同士の殴り合いとは違う駆け引きや予測もあってお互いが歯痒いものの、戦闘力の高さからの攻防は見所。
そして、色々な成り行きや興味から徐々に相手のことを知ってしまうが故の遠慮も。

人のクローンをテーマにする話はクローンを作るマッドサイエンティストとクローンが人を越えて人を消しに来るアンチ系が多いが、本作も基本はその流れはありつつも、人がクローンを救うと言うか、存在を尊重し、クローンではあるが、もっと前向きに幸せになれよ、と導こうとする所が本作の魅力。

これまで散々ロボや異星人をバッタバッタと倒したり、何なら自らスーパーパワーを持つヒーローだったウィルスミスが落ち着いた俯瞰した目線も持ちながらお互いのあるべき道を見つけようとする姿が印象的。
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