三人の夫の作品情報・感想・評価 - 5ページ目

三人の夫2018年製作の映画)

Three Husbands/三夫

上映日:2019年07月12日

製作国:

上映時間:101分

ジャンル:

3.4

あらすじ

「三人の夫」に投稿された感想・評価

mukoryo

mukoryoの感想・評価

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TIFFにて鑑賞。フルーツ・チャンの描く香港はカラフルで愛すべきものですが、アグレッシブであり突然の下ネタが多いので覚悟が必要。今作は下ネタ100%で道徳的には完全にアウト。でもこの無垢さは何なのでしょう。半人半獣、まさに人魚のような。鑑賞後、絵本を観たような気分になりました。過激なのにアグレッシブさや死生観を感じませんでした。Q&Aで監督がおっしゃってましたが、何かを解決しようとか、答えを求めようとしてないところが本質なんですね。主演女優のクロエ・マーヤンのタフさは凄い。次回作も観て見たい。
2018/10/26 六本木EXシアター 東京国際映画祭2018 コンペティション
今年の東京国際1本目

都心と田舎の狭間で、水夫や工夫に実の娘を売る三人の男。
娘の異常な程の性欲と男たちの性欲が滑稽に描かれていた。

人魚姫の物語を題材にした物語。無垢なものが汚れた世界を転がりながら聖なるものとして昇華していく感じ。上手い表現が見つからず口惜しい。

食べ物を使ったリアルで生々しい性の表現と、章を経る毎に移り変わっていく世界の色合い、映像が印象的で美しい作品。
MALPASO

MALPASOの感想・評価

3.9
香港映画。
@東京国際映画祭。

「メイド・イン・ホンコン」の奇才フルーツ・チャン監督作。

白痴の女性に船の上で売春をさせている三人の夫。

ほぼポルノ。嫌悪感いっぱいで、酷い男ばかりが出てくるんですが、なんだか笑ってしまう人間という動物の滑稽さ。フルーツ監督にしか描けない、描かない不思議な世界。

「クレイジー・リッチ」というアジア富裕層の映画が流行りましたが、こちらは貧困層の「クレイジー・ポバティー」。

パンチが効いたブラック・ユーモアでした。エロぽちゃ!新進女優クロエ・マーヤンは体重を18キロ増やす体当たりの演技。来日した彼女は体重戻してて綺麗だった。すごい女優が現れた!
さすが、サム・リーを発掘したフルーツ監督。

船から見えるあるものが象徴的な「フロリダ・プロジェクト」の成人版。
TIFF2018にて、フルーツ・チャンの鑑賞は初めて。なんとなく噂は聞いていたので覚悟していましたが、もうファーストカットからぶっ飛びます。まだ生きてる!みたいなレベルをはるかに超えて、火でたかれた緑色のアワビがぐねぐね動く。画面上部を観ると、松茸のような立派なキノコが見切れてる。嫌悪感とかではなく、生理的にすでに顔は引きつっていて、それが2時間ぶっ通しで続く。

映画はチャンが発表してきた売春トリロジーの3作目(1、2は観てません)。主人公はもう並外れた、尋常じゃないとかそんな言葉じゃ説明しきれない、とんでもない性欲を持った白痴の女性ムイ。彼女は街はずれに停留してるボッロい船の上で、父親と夫(といってもジジイ)に売春をさせられ生活している。映画は彼女に求婚するメガネとあだ名された男の視点で進んでいきます。このメガネがタイトルにもなっている3人目の夫。

映画は8割方、ムイの過激な性描写で展開していく。単純なセックス、企画AVのような変態的マスターベーション。そしてそのほとんどが屋外で行われる。耳を離れないのは彼女のあえぎ声。恥じらいなんてものは微塵もなく、耳をつんざくような高音で周囲に響かせます。劇中でも「まるでイルカ」と形容されるが、まさにそう。これが彼女を怪物めいたもののように見せる。

物語の序盤、ヒロイックにムイを金で買ったメガネは、船を抜け出して、巨大な吹き抜けのある集合住宅で暮らし始めます。思い出してみるとこの流れに名シーンが多い。水中で呼吸するかのように金魚の水槽に顔を突っ込むムイ、浮遊する白い布。極め付けは、カラーボールが積まれたトラックでのセックスドライブ。彼女が喘ぎながら仰ぎみる高層ビル群のショットは圧巻です。ここで彼女のあえぎ声は初めて街中に響きわたる。

チャン監督は男たちに搾取され続けるムイを「単純に被害者とは言い切れない」と語っていました。男性監督が陥りがちな、女性をある種の神性を持った存在として描く作品群とは微妙に違う気がしたんです(傑作は多いけど)。だからか、ロマンポルノやピンク映画とは異なる印象を受けました。そこまで大量に観てないので安易に判断はできないけど、それらが描いていたのはどこまでいっても尊厳を失わない「人間」だった。

「三人の夫」のムイは人間性を超越しながら、その存在を飲み込んでしまう「怪物」。半人半漁伝説とからめて劇中で語られる妖魔なんですよね。でも伝説上は存在していた彼女を鎮めるものは現代にはいない。だから穴兄弟となった男たちは、例外なく覆われていくしかない。

男たちの名前は老大(夫)、老ニ(父)、老三(メガネ)。この3人の夫たちはどうしようもないクズ野郎なんですけど、演技がコミカルで笑えます。底知れぬ性欲に苦しむムイを助けようとすることもしばしば。鰻、義手、緊縛、そしてロデオボーイ笑。影絵でイルカを表現して慰める?場面もあったなー。ここはなんかいい。この男たちが何かを象徴していそうでわからん。ムイの前ではすべての男たちが平均化されるみたいなことなのかな。だから名前は番号が付けられる。あと花火を見上げるシーンで思っちゃったんです。売春家族やんけと(言いたいだけです)。

一個一個思い出すとキリがないのでこの辺で。そのほか橋、香港のルーツ、クラゲ、海、網、赤などなど気になるモチーフいっぱいです。

ちなみに東京国際映画祭のコンペ部門出品作です。グランプリを取るかわからないけど、本当の意味で「衝撃作」と言っていい作品だと思います。これのワールドプレミアをしたTIFFは素直にすごい。カンヌでよくきく退席者続出の映画であることは間違いない。
素直に面白かった!
作品が人魚伝説をモチーフにしていて結構奥が深い。時代の風刺もあるけど、一人の女性の淫靡さに魅せられた男たちの浅ましい業を描いている。

とは言ってもあんまり悲愴感は無くて、男たちの金欲や情欲より女の情欲が勝る逆転現象にこの映画の面白さがある。

一方で、三人の男たちが文字通り手に負えなくなるのは、コメディを通り越して、ある意味悲劇でありホラーとも言えるかも。この映画は観る側に様々な印象を与える。

アンデルセンの「人魚姫」は子供向けに作られた童話だけど、この映画は子供には絶対(いやマジで…)に観せられないオトナ向けの「人魚姫」だと思う。
様々な暗喩は分かるが、本当に現代的かと言われると少し古いような。女優さんは凄い。
mingo

mingoの感想・評価

3.9
今回コンペで一番の話題作が本作かテルアビブオンファイアである。意外にも辛口レビューが多々あるが、日活ロマンポルノ鑑賞者にとってはなんら変わりない昔からあるロマポ。それは演出やモチーフも含めて。しかし六本木トーホーシネマズの大画面でみる絵力は大したもんだ、トラックの中から騎乗位を煽りで撮った画は街並みと相まって迫力満点。
金魚・鰻・義手とモチーフも大胆に揃え、人魚伝説を掛け合わせ、死角なしに挑んだフルーツチャンの3部作最終章。出来栄えとしてはまぁ前情報なしで観たら大体の人が口を揃えて面白いと言うだろう。女優さんの目で訴える演技が良すぎて良すぎる。
メイドイン香港観ないと、
Keitoes

Keitoesの感想・評価

3.4
こんな時代に、よくこんな映画を世に出せたなってのが率直な感想。すごい。
だからジャンルがSFファンタジーにカテゴライズされているのか。

性欲が止まらない、病気の女の人。それを取り巻く3人の男。
紆余曲折あって、3人は船の上で女に売春をさせ続ける。

イヤラシイとか下衆だとか以前に、ノリが中国のコメディっぽさ全開。まるで細かすぎて伝わらないモノマネに出てきそうな典型的な面白中国人みたいな男がメイン。
そこにエロスの要素が加わっているから、とても不思議な感覚に陥った。

香港の魚人伝説みたいなものもモチーフにされていて、大人のお伽話のよう。

金魚の水槽に顔を入れるシーンや、終盤はモノクロになったりと、映像美も楽しめた。

主演のクロエ・マーヤンという女優は凄いと思う。不思議な魅力。
mikazuki44

mikazuki44の感想・評価

3.3
東京国際映画祭にて

過去の「ドリアンドリアン」とか「ハリウッドホンコン」のが好きだったな

映画の半分くらいヤッてるだけなんやけど、でもなんか滑稽で!三人の夫がほんとに自然に三人の夫として機能するのが面白い。
でもとりあえず、疲れるわ…
それでもフルーツチャンは、
時代を観てそれを異形や限りなく人間でないものに近い人間、によって描き出すところは変わってないなー
まあとりあえず、
うなぎ、義手、金魚だよ
sato4

sato4の感想・評価

3.3
「第31回東京国際映画祭」にて鑑賞。キム・ギドク監督作品っぽい要素が多分に見られる題材だったが、同氏の作品のようには心惹かれず、どこか置いてけぼりをくらったままいつか間にか終わってしまった。『三人の夫』というタイトルの由来も彼らの関係値も可笑しいのに、娼婦が不憫過ぎて物語に入り込めなかった。フルーツ・チャン監督の演出は冴え渡っていたし、映画として決して出来が悪いとは思えなかったけれども、個人の好き嫌いレベルで苦手だったとしか。メガネにお金を返しに来た女性の存在が救いだった。