みゆきち

ホワイト・クロウ 伝説のダンサーのみゆきちのレビュー・感想・評価

3.2
字幕版にて初鑑賞。
ソ連出身のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフがバレエ公演のために祖国を出てから亡命までの出来事を描く作品。

私バレエはあんまりみたこと無いんですが、作品内で何度も踊るシーン見てると、このヌレエフさんを演じてる方の肉体美がスゴいわぁ~白タイツだからこそ良くわかるわぁ~とため息ものでした。バレエってジャンプ力とかスゴいのね~。

初めて国外へ出たルドルフさんは、芸術・美術・見たもの全てを自分のバレエに生かすべく吸収しようとしてるのですが、政府側の監視が厳しくなかなか自由に出来ない(してるけど)。

しかしこの原因となってるのって、そもそも自分の偉そうな物言いや態度もあるんじゃないかなぁ。作品内で「自分は非凡だ!」とか言ってるし、出発前に見学してるのに文句付けた事が出発後彼だけが注意されたりと目をつけられる原因になったんじゃないのかなぁ。他の皆さんそれがわかってるから大人しくしてるんだよね?

結局お世話になった先生にも恩を仇で返す形になってて、この作品を見る限りでは彼は努力もしてるし才能と見た目の美しさはあったかもしれないけど、ちょっと高慢で人としてはどうだったのかなぁと疑問に思う部分が多々あった。ソ連と言う国と私の国とじゃ考え方も違うんだろうけど、なんかちょっと腹立ったのは私だけかな。

あと、彼のバレエ学校までどうしていたのかが良くわかんなかった。お父さんには捨てられたのかな。あと最後の子供の頃の踊ってるのはバレエをはじめる前の学校なのか?うーん、伝記的な感じにするならもう少し分かりやすく描いて欲しかったな。

それでも亡命希望するところなんかはちょっと緊迫しててドキドキした。注射を打たれて連れていかれる!と必死に訴えてるところや投獄されると言ってるところは、やっぱそういうことがいつも行われてたのか…と思うと、ソビエト連邦って国がどんな国だったのかを改めて思い知らされた感じですね。技術にばかり力を入れてるのではダメだとおっしゃってましたが、ソ連はスポーツなどでも国を代表する人たちは技術などは本当にスゴかったと思うし、そのぶん失敗したら投獄されたりするのかと思うと恐ろしいし、プレッシャー半端ないだろうなとは思う。

最後の最後に恐らくヌレエフさんご本人のダンスシーンが少し入ります。白黒の画面ですがそれでも力強さや美しさは充分伝わりました。
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