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ソン・ランの響きのkyokoのレビュー・感想・評価

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)
4.1
高利貸しのもとで借金の取立てを担うユンと、ベトナムの伝統歌劇“カイルオン”の花形役者リン・フン。はじめは反目していたふたりが“カイルオン”によって結び付けられ思いを交錯させる、たった数日間のボーイミーツボーイ物語。

柔らかでレトロな色調が美しい。
格子窓から差し込む光や西日が作る影が言葉数少ない彼らの心情を映し出す。
確かにウォンカーウァイを思わせる雰囲気なのだけど、もっと洗練されてる気がした。

直接的な性描写がないのが◎
キスはおろか手さえ握らず、肘と肘が触れ合うのが精いっぱい。
でも、雷の兄貴と呼ばれ非道なふるまいをしていたユンが、大切な人の存在はその人だけでなく自分のことも大事にしようと思えるのだと気づく表情だけで恋の描写は十分。

ドラマとしては展開はベタ。ラストも途中で予測がついてしまったし、舞台とリンクさせる手法も既視感がある。でも小道具の使い方が効果的な無駄のない素晴らしい脚本だった。


ユンの趣味が「ファミコン」だったり、グワバやトウガラシの種に妙に神経質だったり(お母さんがそういう人だったのかな)出窓の花を大切に育てていたり……そのギャップがたまらない(笑)ミスターロンのときのチャンチェンの雰囲気がある。
リン・フンもアイドル並みにきれ~いな顔をしているのだけど、私は圧倒的にユン派w
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