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ソン・ランの響きのsonozyのレビュー・感想・評価

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)
4.5
サイゴン出身のレオン・レ監督作。

高利の金貸し業を営むガー姉御の元で、借金の取り立てを生業とし、返済が遅れた客には暴力もいとわない、“雷のユン兄貴”と呼ばれているスリムマッチョのユン。(ジャケ写 左)
カイルオン(ベトナム南部の大衆歌舞劇/ベトナム版オペラ)の劇団の若きスターで、長老の師匠から歌を心に届けるために恋や失恋をしなさいと指摘されているフン。(ジャケ写 右)

ユンは劇団に借金の返済を迫るが、今日は返せないと聞き、舞台衣装にガソリンをかけ燃やそうとする。
そこに現れたフンが止めに入る。
この二人の出会いから、互いに惹かれていく物語ですが、BL的な要素は薄めです。

実はユンも子供の頃は両親がカイルオンの劇団に属していて、母が女優、父は二本弦の弦楽器ダングエットの奏者、ユンは拍を打つ小さな民族楽器ソン・ランで楽しい日々を過ごしていたが、ある日母が家を出てしまい、それ以来、カイルオンについて封印していたのだ。

フンと出会い、フンのステージを見て心を動かされたユンは、次第に暴力的な取り立てをやめる。
ユンの部屋で、フンが歌い、ユンがそれに合わせて弦楽器ダングエットとソン・ランを奏でるシーン。
アフレコなのか分かりませんが、フンの歌もユンの演奏も素晴らしい。

ソン・ランには、二人の(Song)・男(Lang)という意味もあるそう。

二人が屋上で語るシーン、窓際で茶を飲むこのジャケ写のシーン、カイルオンのステージのシーン。
アンバーな色調の映像。音階があるように感じるベトナム語の響き。
そして悲しいラスト。沁みたな〜。

ユン役のリエン・ビン・ファットは、本作が映画初出演。
フン役のアイザックは、元アイドルグループのリーダー。
というキャラの異なる二人のキャスティングも成功してますね。

ベトナム映画協会最優秀作品賞、北京国際映画祭最優秀監督賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞など、合計37の賞を受賞しているようです。