『僕の好きな女の子』の玉田真也監督作品
深夜のカラオケボックスでとある大学のサークルで代表選挙がおこなわれ、そこに集う人々の関係が次第に変化していく様子が生々しく描かれる
だめだ面白すぎる
思わず共感性羞恥が発動するほど徹底されたリアリズム
ありきたりな大学生の日常を描いてるだけなのに、個人的なツボにどんぴしゃすぎてくっっっっっっっっそ笑ったし楽しかった
後半の修羅場のように気まずさを畳みかける脚本なんか天才のそれ
個人的な去年のベスト邦画『僕の好きな女の子』の監督作ですが、いつまで経っても見放題になってくれないのでしびれを切らしてレンタルしてみたところ、もっと早くレンタルしておけば良かったと激しく後悔するほどの大傑作だった
三浦大輔監督の舞台『男の夢』に着想を得たらしく、元々は舞台が原作というのもあってか非常にミニマルな作品ですが、カラオケの二部屋のみで展開される長編作を、1秒たりとも退屈な描写がなく仕上げてしまう手腕
あほらしさやバカバカしさもあの頃特有で、大学生のくだらないけど最高だった青春の全てがつまってる
やるやれないとか童貞か童貞じゃないで立場が一気に逆転する感じとか、仲良さそうで実はぎくしゃくしてる感じとか、サークルのOB・OGが実は影で疎まれてるとか、客観的に見たら糞ほどおもんないことでゲラゲラ笑っていちいち盛り上がるとか、楽しくしてたのに一言でいきなり気まずくなる空気とかも、全部が全部くっそリアルで大学生の記憶が一瞬で蘇ってくる
一人だけかなり年上の社会人経験者がいるも超リアルだったし、その方のキャラも最高に面白い
カラオケでオールしてそのまま大学行く感じのだるさも妙に懐かしくてノスタルジックにまとめられているのも最高
『僕の好きな女の子』に出てる人が半分くらいいたけど、ほとんどは無名のキャストさん達も皆愛おしくなるくはい好きになってしまう
スタッフロールに村上虹郎がいたのに全くわからなかったけど最後の最後に出てくるのはズルくない?笑
こういう映画でも太賀はやっぱりオーラが違って見えたなぁ
大好きな『恋の渦』『テラスにて』『架空OL日記』等と似てるし、なんなら今話題の『街の上で』にも通ずるような部分もある
中々下劣なので観る人は選ぶと思うけど、好きな人であればドはまり出来るような作品だと思う
2021 自宅鑑賞 No.219 GyaOレンタル