木曳野皐

メランコリックの木曳野皐のレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
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パッケージに蔓延るホラーやスプラッタみは本編にはあまり無い。日常を描いたという割には「映画だから」と自分で自分に説明しなくちゃいけないくらいには違和感が違和感として普通に存在していた。だって銃刀法違反じゃん、殺人じゃん、OKじゃないじゃん。
何処が青春映画なの?と思うくらいには重いし、何処がサスペンスなの?と思うくらいには軽い。
童貞み溢れる主人公とそれを取り巻く家族や出会った人のお話。たまたま出会った人が殺し屋だった、結局はただそれだけのように感じる。
「人生には、何度か、一生これが続けばいいのにっていう瞬間が訪れる」
「そして僕達は、その瞬間の為に生きているのだと思う」
という最後の台詞にもあるように、結局コレはハッピーエンドなんかじゃない、と言うのが私の結論だった。だって、彼等はその瞬間の為に生きていて、あとはどうでもいいのだから。きっと、彼等もこの幸せがいつまでも続く事じゃないと知っている。
エンドロールの後の彼らの人生に今から花を手向けたい。
木曳野皐

木曳野皐