通りすがりのナポリタン

メランコリックの通りすがりのナポリタンのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
3.5
ずっと見たかった映画ついに見れたー!
まさかの設定でまさかのストーリーで面白かった。

東大を卒業した鍋岡和彦(皆川暢二)はアルバイトをしながら日々を平凡に過ごしていた。そんなある日、和彦の母が間違えてお風呂の栓を抜いてしまい近所にある銭湯、「松の湯」に行くこととなる。そしてそこで偶然、高校の時の同級生である副島百合(吉田芽吹)と出会い、高校の同窓会があることを知る。同窓会には行かないと決めていたが、百合に仄かな恋心を抱いてしまい、同窓会へ顔を出すことにした。しかし同窓会では疎外感を感じてしまうそんな中、百合に松の湯で働いてみたらどうかと提案をされ、和彦は松の湯で働くことにした。この銭湯の大きな秘密も知らずに・・・

銭湯がまさかの殺人と死体処理が行われる場所になっているなんて面白すぎる。しかも、主人公はコミュ障の東大卒、大丈夫か?!と思わせられるけど以外と色々こなしていく、案外現実もこんなものかもと思わせられた。なにか特別なことに巻き込まれるのはそれが嫌な事にでも嬉しい事でも特別は特別だから謎の優越感に浸ってしまうのはわかる気がする、、銭湯という特徴的なシチュエーションも、昼間のゆったりとした雰囲気と夜のあまりにも刺激的な雰囲気とのギャップを感じるには適任な場所だと思った。少し登場人物達の心理描写的なものが薄く感じて、中々映画に入り込めなかったけど、段々と登場人物達が愛おしくなってしまうのはこの映画の凄いことだとおもう。そして色々クスッと笑えるようなシーンもあって面白かった。やっぱり死と笑いは映画にとって紙一重なのかも、、?

とにかく登場人物達が濃くて面白い!東大卒の和彦は典型的な現代のコミュ障という感じで、オドオドとした演技も素晴らしかった。誰にでもコミュ障という訳ではなくて、仲良くなると段々と話せるようになるのが現代のコミュ障って感じで良かった。そして和彦と同じく第2の主人公的存在の松本晃(磯崎義知)は今作の沼キャラ、絶対好きになってしまう、強いし金髪だしなにより優しい、そして童貞笑和彦とのバランスのとれたバディ感も良かった。

感じたことも無いような雰囲気だけど面白い映画でした!