TIFF2018⑨
日本映画スプラッシュ・監督賞受賞作品。
練り上げたプロットに、キャラクターの丁寧な描き込みが合わさって、偉そうに言えばちゃんと「映画」の体をなしている。
東大出てもなお実家暮らしのフリーター・カズヒコ。
コスメショップ(たぶん)で働く一人暮らしのユリ。
プロの殺し屋。
こうやって並べると、殺し屋を差しおいてカズヒコがいちばんダメ人間に見える(笑)
お母さんの作るご飯はとってもおいしそうだし(揚げ物多め)、お父さんはいつもお母さんにありがとうと言っていて、ふたりとも息子に絶対に苦言は言わない(さりげなく求人誌について助言はするけど)。いい両親だなあと思う半面、この二人が息子をこんな風にしたのかもとも思う。
カズヒコは最後まで誰かに助けられていて結果はタナボタ的だし、道徳的なことは一切無視なラストに「おもしろい!」と言い切るのはなんとなく憚られる。。。
ユリ役の吉田芽吹ちゃんは初めましての女優さん(というか全員はじめまして)だけど、とても良かった。
カズヒコと再会したシーンで一瞬「え?川栄ちゃん?」と思ったけれど、正面向いたらヤワラちゃんだった。でも見る角度によっては原田知世にも似てたりもする。たぶんかわいい。