てづか

ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実のてづかのレビュー・感想・評価

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あまり戦地の描写は壮絶だと思えなかった。
あんなに爆撃されてんのに手足すらもげないで人がわーいって飛ぶだけだし、内蔵もなんかめっちゃ綺麗な状態で映されてるし、直接的な描写があまりないからかは分からないけど、これが戦争だ!という地獄はこの映画からは感じなかった。
あくまで表層的な表現なのかなって感じ。他のベトナム戦争の映画とかと比べたらどうなんだろう?あんまりちゃんとしたベトナム戦争の映画観てないからよく分かんないな。

だから私の経験不足と感受性の問題なんだと思うんだけど、どれだけピッツさんが凄い人だとしても、あまり説得力を感じなかったというか………やったことは素晴らしいと思うんだけど、映画としての説得力には欠けてたのかなあ?と思ってしまった。

他に亡くなった方も沢山いただろうにこの人だけピックアップしてんのも謎だし。

全体的に美談仕立てにしたくてその背後にある戦地となったベトナムの人たちの生活とか、その後の帰還兵の日常とかが全く無視されているのが気になって全然楽しめなかった。

一応セリフでは語っているけど、ホントにセリフでしか語られなくて、帰還兵たちが何を恐れてどんな風に暮らしているのかが全く描かれていないのはどうなんだろうと思って共感できなかった。

フラッシュバックってもっと日常的な音とか光景とかからいきなり来るものなんだけど…。

それを描こうという映画ではないから良いのかな。

勲章にあそこまでこだわる理由も私にはよく分からない。自分の息子の死を、価値ある死だったと思いたいんだろうけど、死んでから勲章貰ったってどうにもならないのに。

勲章貰ったら息子が帰ってくるわけでもあるまいに。どうせならそれを受け入れられない家族の思いとかにフォーカスを当ててくれたら良かった。

なぜピッツを戦場に行かせたか?の答えはなんか気持ち悪いって思っちゃった。そんなん言うなら行かせたくなかったって素直に泣いてくれた方がこっちも受け入れられたんですが…。

盛り上がりどころと思しきところで流れる音楽がまた「ここですよ!泣いてください!」と言われているような音楽で、後半にいくに連れてどんどんしんどくなった。

明けで頑張ってきたのに残念。
セバスタの顔はとても良い。
てづか

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