東京国際映画祭2018で上映された作品。
この頃は特段インド映画に興味があるわけでも無かったし、ヴィジャイさん知らなかったもんなぁ。
明日3/21にSKIP CITY川口でイベント上映されるみたいなので、行ける方はどうぞ!
熱狂的ヴィジャイさんファンである主人公ピーターが、伝統的な太鼓ムリダンガムに目覚めて成長していくストーリー。
ちょうどヴィジャイさんの「マジック(Mersal)」の公開時期だったようで、あちこちにMersalやヴィジャイさんの看板があったり、実際の映像が流れたりしてタラパティアンとしてはテンション爆アゲ⤴︎⤴
みんな立ち上がって歌ったり踊ったり、紙吹雪が待ってたりと賑やか。
実際に公開初日とかあんな応援上映みたいな感じなんだろか?
序盤はインド映画お得意の恋した女性にストーキングするんだけど、その後すぐに音楽に目覚めるので無問題。
その後も恋愛要素は薄めなのが良き。
後半にちょっとロードムービーっぽくなって色んな地域の音楽と触れ合うシーンがめっちゃ好きだった。
伝統と革新の融合。
カースト制度の打破。
青年の成長物語。
好きな要素が詰まってて、音楽対決という映画としてのエンタメ要素もきっちりあって楽しめた。
ちなみにこの映画の音楽を担当しているのはA.R.ラフマーンという大御所。
主演のG.V.プラカーシュ・クマールはラフマーンの甥っ子なんだそう。
しかも自身もヴィジャイさんファンで、それこそMersalでは1曲歌ってるらしいし、「火花(Theri)」では音楽担当してたというからまさにハマり役。
そんな彼もムリダンガム演奏のために1年間特訓して映画に臨んだらしく、演奏シーンの説得力は凄まじい。
主人公はカースト制度の更に下の身分ダリット(不可触民)という設定で、ダリットでない俳優が演じることに批判もあるみたい(実際、TIFFのティーチインでもインド人の方から監督にその質問されてた)。
監督によると、ムリダンガムで使用する牛や水牛の皮は、出産後の雌から取るらしい。
それは出産で皮が伸びて良い音が出るから。
でもそういった仕事はダリットがやると決まっているんだとか。
実はインドの身分制度にはカーストの他にヴァルナやジャーティがあり、それによって出来る仕事が限られている。
なのでダリットは楽器を作る仕事をするものであり、演奏者ではない。
だから劇中ではマニという男があれだけ反対していたのである。
それを打ち破るのがこの映画のテーマの1つ。
音楽映画として、成長物語として、やはり演奏シーンは説得力が必要なので、ダリットではないけど音楽家としての才能のある人が演じることになったということ。
ちなみにライバルのナンドゥ役や先生役の人は実際にムリダンガムの演奏者らしい。
他にもあの音楽番組の司会者やら審査員の人達はそれぞれの本業の人だそう。
また、監督は前に伝統的音楽のドキュメンタリーを撮った時に、伝統的な音楽が老人ばかりになっていくのを目の当たりにして、若者が引き継いでいく作品を作りたくなったとのこと。
そこに共感した監督の奥様がプロデューサーを買ってでたんだとか。
このあたりの話はまだTIFFのティーチインの映像がYoutubeで観られるので興味のある方は是非。
https://youtu.be/Rim8OdkauL8