白波

靴ひもの白波のレビュー・感想・評価

靴ひも(2018年製作の映画)
4.3
プライム・ビデオ鑑賞
ずっと昔に別れた父親と、障害を持った息子との心の触れ合いを描いた作品。
イスラエル作品て殆ど観たことがないので、まず聞き慣れない言語に少し戸惑いました。
が、それ以上に主演の二人の演技が素晴らしく、すぐ作品に入っていけました。
特に父親役のドブ・グリックマンが、実に味わい深い芝居なんです。
障害と社会、紛争の絶えないイスラエルにある支援の現実、腎不全に臓器移植、こうしたビターなテーマをユーモラスに包んでいました。
また演出は控えめで、淡々と動いているのも良かったです。
そうして皆優しい。ガディの周りは小さな愛に溢れているんですね。
噛み合わない共同生活の後に、いつの間にかお互いを必要とする親子へ。
「これ以上息子から奪うことはできない」と苦悩しながらも、もう互いに与え合っていたのでしょうね。
ラストはあまりに突然で、でもそだからこそガディの成長にも繋がったのでしょう。
最後、前に進んだその姿はとても暖かでした。
素晴らしい作品です。
白波

白波