世界の潮流となった“ポゼッション・サッカー”を確立し、サッカー史上最も成功したチームのひとつとして称されたFCバルセロナを追った物語。当時のバルセロナに関わった人物たちの心に秘めていた想いやその軌跡までの舞台裏を丁寧に追ってバルセロナというクラブの全体像を見る事ができた。ドキュメンタリー形式で当時の試合の様子や何十人ものインタビューを交えて展開されるから飽きる事がない。難しくて分かりにくい表現には図や絵を用いて説明されるから理解しやすい。焦点が当てられている時代のバルセロナでは栄光の裏に多くの出来事が起こっていて、いくつもの出来事が同時に起こっている。視聴者側にはどこに焦点当てればいいか分からなくならないようチャプターごとに分けられ、ストーリーをうまく凝縮していた。
何十年後、未来の人に記憶に残るようなサッカーにおいて大切なのは優勝やトロフィーの数ではなく、人々の心を掴むサッカーを行ったかどうか。ドリブルのような個人技術は凄さがあり、観客も楽しむ事ができるが、パスを繋いでスペースを開けることの方が凄いと感じるのはバルセロナのサッカーを見るまで到底想像することができなかった。歴代の中でも一二を争う組織され、美しさを演出したチームだと思う。チャンピオンズリーグ での組み合わせ、宿敵レアル・マドリードとのクラシコ、監督の就任と解任、選手間での怪我や病気、全てがうまく絡まり合って平凡な映画以上のシナリオがあるためストーリーを追っても面白さがあった。
