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さよなら、退屈なレオニーのmingoのレビュー・感想・評価

さよなら、退屈なレオニー(2018年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭、唯一信頼を寄せられるユース部門が誇る青春ドラマの傑作。ゴーストワールド、スウィート17モンスター、パロアルトストーリーなどを彷彿とさせ、目標もなく無為に過ごしてしまうティーンの心境を丁寧に描ききる。淡々とした日々の中に微かに灯る小さな火種が鑑賞者である自分の中にも確かにジワリと伝う。ラストのタバコ吸いに行ってくると言い、店の外でキャンディーを舐めるレオニーが旅立つシーンは静かに胸打つ。旅立った彼女がいない野球場には灯りをつける人がいなく、暗闇の中で野球をする人がいる。そしてその誰もいないフェンス越しの暗闇をズームアップすると、、、ラストの仕掛けはこれまた嬉しい演出。嫌味がない演出に、ティーンのやるせなさに、父親の(街の衰退と栄光の)背景を掛け合わせ、生活と家族と恋愛を見事に描き切った本作は間違いなく青春ドラマの傑作といえる。配給会社様、劇場公開お願いします!
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