miminaga

ナチスの愛したフェルメールのmiminagaのレビュー・感想・評価

4.0
フェルメールの贋作画家として有名になってしまった画家メーヘレンのほぼ実話な物語。

そもそも贋作というか、メーヘレンの絵なのだ。フェルメールとサインしたから贋作なのであって、メーヘレンとサインすれば問題なかった。ただ、それだとナチスも美術館も見向きもしない。そもそも同じ絵なのに。サインが違うだけなのに。

そんなベタな問題から、画家の切なさやり切れなさが痛い程伝わってくる。屈辱を味わうシーンで、こんな事されたら立ち直れないし復讐したくなるのも無理はないと私は感じた。でも他の方のレビューに贋作に走るのは画家としての甘えでオリジナリティの無さなのだと書かれていのを読み、芸術家の苦悩に触れた思いがした。

「それがあなたとフェルメールの差だ」
裁判で言われる言葉が刺さった。今まで大切に扱われていた絵が無造作に置かれる。確かに贋作は悪い。でもなぜかメーヘレンに寄り添いたくなり、切ない。評価低いけど良作と思う。
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