メイマーツインズ

LORO 欲望のイタリアのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)
3.5
《この男、怪物か、カリスマか…》

パオロ・ソレンティーノ監督×イタリアの名優トニ・セルヴィッオで描く、実在するイタリア元首相シルヴィオ・ベルルスコーニの物語。


セクシーでゴージャスな世界!
ハイレベルの女性たちが体を張っていて、酒池肉林の官能的な世界は、男の本能をくすぐられてしまう…
邦題の通り、金銭欲、権力欲、自己顕示欲、出世欲、そして…性欲。
男の”欲望〟をこれ以上ないくらいに体現した存在、シルヴィオ・ベルルスコーニ。
イタリア有数の富豪でスキャンダラスな彼を長年に渡りトップに据えてきたイタリアという国の懐の深さ。
人間らしさがあっていいじゃないか。
これが、イタリアなのだ。
現代社会の型に嵌めようとする風潮を考えると、こんな破天荒でカリスマ的な人物が新鮮で魅力的に映る。
だから、トランプもアメリカの大統領になれたのだろう。

最高のセールスマンでもあった、ベルルスコーニの言葉にこうある

”真実とは、主張する際の口調と確信の賜物〟
 
彼らしい、清濁併せ呑んだ深い言葉だ…
政治やビジネスの世界は、綺麗事だけでは成功するのは難しい。

ベルルスコーニを演じるトニ・セルヴィッオの熱演、そして洗練された映像でも魅せる作品。
ちょっと個性的な作風ですが、イタリア好きのパワフルな男性なら目の保養にもなり、それなりに楽しめる作品だと思います(笑)