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LORO 欲望のイタリアのslowのネタバレレビュー・内容・結末

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

パオロ・ソレンティーノは好きな監督なので、本作にも期待していたのだけれど、これはやや自分の好みではなかった。よく引き合いに出されるフェリーニの『甘い生活』がノレなかったのも同じ系譜だからだろうか(でもそれは本作に限ったことではないか)。ノレなかった理由として物語の流れがやや不自然な点もあったかもしれない。どうやら本作は本来2部構成であり、セルジョとベルルスコーニは別々に描かれていたとのこと。セルジョの後半とベルルスコーニの前半がモヤモヤとしていたのはそのせいかな。一応繋がってはいるけれど…バランスが悪く感じられたのにも納得。あと、ベルルスコーニがまだ存命中にこの映画が作られたことに驚いた。もちろん許可を得て作られたのでしょうね?ただ、肝となる部分は気を遣って描かれていたようにも感じ、そこは何かしら条件でも出されたのかなと邪推してしまった。絢爛豪華な宴と美女たち(美しいけれど不思議とsexyには見えない)はビジネスの一つでしかなくなり、後に残ったものは美容では抗い切れない老いと空虚な愛の骸。きっとソレンティーノはベルルスコーニのスキャンダラスな面というより、過去作から一貫して問うてきた"老い"に彼を当て嵌め描いてみたかったのだろう。と勝手に想像してみたのでした。
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