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プロメアのmaverickのレビュー・感想・評価

プロメア(2019年製作の映画)
4.3
『天元突破グレンラガン』、『キルラキル』でもタッグを組んだ今石洋之と中島かずきのコンビによる完全新作の劇場アニメ。

いや~熱い!!!主人公は救命消防隊の隊員で火消しの立場だが、こいつが一番の熱血キャラ。登場人物はどいつもこいつもテンションが高く、それに合わせてアニメーションもぐりぐり動く。ノリはまんまグレンラガン。この熱さが何とも心地よくて爽快だ。グレンラガンのあの熱血さを求めてる人はもちろん、特撮やロボットアニメが大好きな人もハマれる作品。オシャレでいてぶっ飛んだパワーをびしびし感じさせ、日本のアニメここにありと世界に啖呵を切れる作品性で素晴らしい。

炎を操る新人類バーニッシュが出現した地球の話であり、その世界観の表現も見事。難解な設定だが、それにわくわくさせられる。『AKIRA』や『攻殻機動隊』のようなSF描写がマニア心をくすぐる。
設定や物語は多少難解でも、とにかく見てれば爽快という作品性も良い。主人公が単細胞の熱血馬鹿なので、難しい話なぞ関係なく突き進み、それによってストーリーが切り開かれる。まるで体感型のアトラクションのよう。
肝心のテーマはというと、バーニッシュと人類との関係性を描く考えさせられる真面目な話。バーニッシュだって同じ人間だ。腹も減るし仲間が傷つけば悲しむ。差別や争いといった、いつの世もなくならない人間社会のそれらのことを考えさせられる。しっかりと胸に響く話だ。

作品性は力強く、作画も気合入りまくり。さすが『天元突破グレンラガン』のコンビと思わせるに十分である。
ただ残念なのは声の問題。メインキャストは芸能人で、やはり本業の人と比べてトーンダウンしてしまう。せっかくの作品性が完全に生かし切れてない印象である。みんな良い声をしてるし演技も自然。平淡な芝居は全然問題ないし上手いなという印象を受ける。ただ、感情を爆発させる芝居となると本業の声優さんにどうしても劣ってしまう。特に本作は爆発的な熱い熱血芝居が求められる作品。これならグレンラガンの声優さんで良かったじゃんと思ってしまった。カミナ役の小西克幸さん、今回脇役だったし。作画はめちゃめちゃ熱いのに、その声が70パーセントくらいの割合の声で違和感だったな。

グレンラガンにめちゃめちゃハマっていた自分からすると嬉しくもあり、消化不良な部分もあり。それでもやっぱり凄いアニメだなという感想だ。こんな熱いアニメを作れる人が日本にはいる。それが嬉しいじゃないか。
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