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青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ないのhawaianCTのレビュー・感想・評価

4.0
思春期と呼ばれる時期に受ける心の傷が、物理学的事象となって現れる思春期症候群。
その被害者であるが故に疎外され、高校生の割に人生を達観してしまった感のある主人公が、同じ様に症候群に悩む女の子達を手助けしてゆく、SFラブコメ作品。

心にも体にも、かなり大きな傷を持ちながらも隠しつつ、タフであろう、クールであろうとする彼が、人を救う為にもがく姿と、

"シュレーディンガーの猫"・"量子テレポーテーション"などの名前は知ってるけど意味のわからないワクワク物理学が巧妙に話に織り込まれていて、

奥底に眠った青春ココロとオタク心を擽るTVシリーズでした。

映画化となった本作は、その続きで、彼が心の傷と上手くやっていく為に、支えとなってくれた、
文字通り助けてくれた恩人であり初恋の人が抱える思春期症候群の話です。

予告からして、重い話を想定していましたが、全編真っ暗な心ぐらつく展開且つ、今迄のSF要素を総動員した複雑さと、衝撃的ラストに、エンドロールの間呆然としてしまいました。

真っ黒に暗転したエンドロールと、TVシリーズと同じ心に残るエンディング曲を聴いているうちに、ジワジワと作品の完成度に感激してしまいました。
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