くるぶし

君は月夜に光り輝くのくるぶしのレビュー・感想・評価

君は月夜に光り輝く(2019年製作の映画)
3.5
わかってるけど泣いてしまった
アニーホールやララランドを彷彿とさせる演出はくる
ミッチーのとこもやばい

ただ泣ける映画が良い映画であるとは限らないということは口を酸っぱくして言っておきたい

本作は泣けるけど良い映画であったかというと非常に微妙なところ
全体的に惜しすぎる

説明台詞が多すぎることが言える
タイトな尺で様々な設定がある今作は説明すべき点が非常に多い
冒頭の不自然な説明台詞から話を展開させるための無理のある演出が目立つ
伏線回収のための伏線みたいな感じでしょうかね

設定モリモリはわかるけど不自然な演出は最小限にして欲しかった
なら登場人物を省いたり設定もタイトにしたりして主人公2人の関係に焦点を絞った方が良かったのではないか

心情の吐露も非常に惜しい
ミッチーのとこは相当よかった
しかし芽郁ちゃんが泣きながら心情を吐露するシーンは現実味がなさすぎて興ざめしてしまう。あそここそ引き算の演出が光ると思う
あしたのジョー作家の方は「大事なコマこそ小さく書く」と言った。まさにそうゆうもんだよ
感動的なBGMに感動的なセリフ、そして本人も泣きじゃくる演出はあまりにも過多

前述の設定モリモリにも通ずるが、それがキャスティングにまで影響を及ぼし齟齬をきたしているのが目に見えてわかる
先に言ったような伏線回収のための伏線のような愛のない使われ方をしているのでキャラクター、そしてキャストに不親切。
なら脚本段階で推敲してキャラを削除するなりの対応はできたのではないか

終盤もなー。スッと終わってくれればいいものを伏線回収のための伏線の伏線回収(?)が行われるため冗長。レオンの終盤の感じを思い出した。あれも伏線の(ry)だったのでそれまでの感動が薄れてしまうなと感じていた

とても素晴らしい演出があり主演2人とミッチーが素晴らしかっただけになんとも惜しい
見ない方がいいほどではないけど
今アカデミー賞の作品とかやってるしそっち行っちゃうよね〜
以上
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