でしょうかな

サマー・オブ・84のでしょうかなのレビュー・感想・評価

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)
3.6
1984年夏、郊外の町で少年ばかりを狙った連続殺人事件が発生。陰謀論が好きな少年デイビーは、隣人で警官のマッキーが殺人鬼ではないかと疑う。友人たちは半信半疑ながら、彼について密かに調査を始めるが…。


20世紀後半のアメリカは、犯罪史でも有数の凶悪なシリアルキラーが多数輩出されていた地域。本作の事件や犯人も、実在したシリアルキラーを何人か思い浮かべずにはいられない。
前評判からして、「ああ、確かに邪悪な『スタンド・バイ・ミー』だね(笑)」とやや半笑いで観ていたが、観終わる頃には「マジで邪悪な『スタンド・バイ・ミー』すぎる…」と気が沈む一品。
台詞回しとBGMは一級品だと思う。特に冒頭と結末の被せ方はかなり好み。「連続殺人鬼も誰かの隣人だ。」いや全くもってその通りで。
雰囲気は悪くないけど、こういうのが1980年代風なのかはいまいちぴんと来なかった。ガジェットは確かにそれっぽいけど…分からない。
ストーリーに関しては、作風のリアルさと終盤の突飛さが噛み合ってないかなって。郷愁を感じさせつつどこか幻想的な「一夏の冒険もの」に現実をぶつける、言ってしまえばアンチテーゼのようなストーリーなのに、それにしては終盤、ある人物をちょっと大暴れさせすぎじゃないですかね…。いやあのラストは恐ろしいし台詞も込みでトラウマもんだけど、いきなりフィクション濃度をぶちあげる展開はちょっと困る。それ抜きでも、全体的に直球な上に前半の起伏が少なく、配信で観たから危うく視聴を断念しそうになった。
題材と後味の悪さは良い案配なので、終盤の展開にもう少し説得力があれば文句なかった。
でしょうかな

でしょうかな