狭須があこ

サマー・オブ・84の狭須があこのレビュー・感想・評価

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)
4.2
「連続殺人鬼も誰かの隣人だ」

そんな「服の下はみんな全裸だ」みたいなこと言われましても~ww
とか言いながら、とりあえず途中まで見て寝るか~みたいな思ってたのに、結局気になって最後まで見ちゃった

めちゃめちゃストレンジャーシングスですね。
作曲家、同じなのかな。
関係ない音でビビらせまくってくるので、毎回だいぶビビりました
そうよなぁ、9.99999割の不安は日常の続きなんだよな

「杞憂」の確率の高さを大人は知ってるし、
不安を信じて非日常方面に一度舵を切っちゃったあとの、日常の続けにくさも知ってるから
大人になるにつれて、確信のない非日常を信じなくなっていくのはよくわかります。

「あいつ、殺人鬼かも」と言ったとき、子供は信じてもらいにくい。
でも「あいつ、殺人鬼かも」と言っちゃったときのリスクは、子供よりも大人の方がデカいんだぜ

「まじでこいつか?」
「ちがうのか?じゃあこいつか?」
「結局、誰だ?」って途中かなり面白くなっていたので、いつもサスペンスもので私が陥る「あ、犯人こいつだったんだ。ふーん」で尻すぼみするのが嫌過ぎて祈ってました。

しかしなかなかいい終わり方
きれいなテーマの映画だった。
「そこまでそうにはならんやろ」が起きちゃう話を、フィクションは描いていてくれ。
普段ピンポイントで考えることのない「当たり前」が自分を名指ししてくるの、大人の私にはめちゃくちゃ爽快だった。

「自分が主人公かもしれないじゃん!」が「イヤ、まさか。さすがに?」に打ち勝てる間を青春と呼びます。
しかし、青春の勝利を大人の邪悪さが包み込むことを、ホラーと呼んでいいのだろうか。

最悪な映画だわ。私は好きです。
狭須があこ

狭須があこ