Jonayama

サマー・オブ・84のJonayamaのレビュー・感想・評価

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)
4.1
"あの頃"感をこれでもかと演出した舞台で繰り広げられるジュブナイル系ホラー映画。
2017年製作の作品だが30年くらい前の映画をリマスターしたような鮮明だがザラついた画質、ファッション、そして昔なつかしシンセポップ/ニューウェイヴ系の音楽でほぼ固めたサウンドトラックなど作り手の80年代への偏執的とも言えるオマージュに計り知れない愛を感じた。
84年だとまだ自分は産まれていないがw

『スタンド・バイ・ミー』に代表されるような少年時代のちょっとしたムチャな冒険を描いた作品だが、隣人が世間を騒がす殺人鬼なのではと疑い証拠を見つけようと奮闘するミステリー性も強く感じられる。

サンダンス映画祭に出品された作品でインディー系映画のようなのだが、昔なつかしい空気感と手堅い作りが上手くマッチしたのか安っぽさは特に感じず当時ヒットしたホラー映画のような貫禄を個人的には感じた。

そこそこ緊張感のあるシーンはあるがインディー系らしくやや地味なテンションが続き、なんとなくこのテの作品を観てきた先入観からか明らかに怪しいけどきっと実際には何事もなくて青春時代の思い出のひとつにおさまるような出来事になるんだろうなと思いきや、終盤でやはりこれはホラー映画だったのだと思い知らされる。
「怖かったけどおれたちやり遂げたよな」と安堵し今にもエンドロールが始まるかとおもうような暗転から続く恐怖の15分強に戦慄した。とても良質なホラー映画だ。



冒頭と最後に流れる「連続殺人鬼も誰かの隣人だ」ってセリフはホントゾクっとするね。
Jonayama

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