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マンタレイのTOTのレビュー・感想・評価

マンタレイ(2018年製作の映画)
2.1
‪漁師とミュートのロヒンギャ難民の男、どこにも行けない二人が鏡写しのように、入れ違うように変容する。
人魚姫を想起させて美しくも儚く切ない寓話的物語。‬
ただ、森や、暗闇の全身電飾など、監督が尊敬して全部見てるとQ&Aで言ってたアピチャッポンビジュアルすぎる。
https://natalie.mu/eiga/news/308607
男と男の森の中の変容は『トロピカル・マラディ』や『ブンミおじさんの森』を思いださせるのはまだしも、全身電飾は2011年の『Power Boy』に似過ぎ。ってか、まんま。
http://www.kickthemachine.com/page80/page22/page11/index.html
http://museumpublicity.com/2011/08/10/irish-museum-of-modern-art-presents-exhibition-by-thai-artist-and-film-maker-apichatpong-weerasethakul/
あと、2012年の短編『Ashes』にも似てるかな。
https://www.redbull.com/jp-ja/art-blog-yu-miyakoshi-140627
『Power Boy』は日本のいちアピチャッポンファンの私ですら知ってるくらいだから、監督も見てるよね?
アピチャッポンの名前だけでネット検索しても一発で出てくるし。
部屋の中でLEDが舞うだけなら良かったんだけど、屋外で全身に巻きつけるのはよくある行為ではないし、流石にアピチャッポンまんますぎる。
学生の習作ならわかるが、これが彼のクリエイティビティとして素直に高評価されてしまうのは疑問。
だってそしたら気に入った作家のビジュアルも台詞もなんでも使ってOKになる。
ストーリーや台詞が乏しい映画なら、その作品は他に何の努力をしたっていうの?
映像作家が独自のビジュアル作るって大変なことだよ。
皆んなそれを生業にしてるんだよ。
テーマはわかるし雰囲気もいい。
でも一部引用どころじゃない比重で、作品のポイントにもなりそうなルックが借り物に見えて集中できなかったし、作品内の他の良さも霞んでしまった。
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