イーストウッドの新作をスクリーンで観られる幸せ。
しかし、御大88歳ですか。すごいなー。監督主演ですもんね。確かにスクリーンに映る姿は紛れもなくジジイではあるものの、まあ、そういう役だしね。
前の監督・主演作の『グラン・トリノ』はもう10年前の作品なんですね。早いなー、月日が経つのは(笑)
イーストウッドの役どころはユリ栽培に人生を捧げているアール・ストーンという男。アールが育てているユリはそれこそ一瞬しか花を咲かせることがなく、その一瞬のために、家族のことは後回しになっている。
娘の結婚式よりユリの品評会を優先。
そんな彼は当たり前だけれど、家族から距離を置かれている。
しかもアールの生きがいのユリ栽培もインターネットで売買する業者に圧され、借金を重ね、職を失い、ついには家さえも手放すことに。
そんな状態になって、ようやく家族の大切さに気づくアール。しかし、家族は相変わらずアールに心を閉ざしている。
そんなアールに転機が。ある男から運び屋をしてほしいと頼まれたのだ。託されたブツを指定の場所に運ぶ。
そんな簡単なことで大金を手にしたアールだったが…。ってお話。
ポイントはアールが年を取り過ぎていて犯罪者に見えないから、どんなヤバいものを運んでも誰にも疑われないってこと。
アールもアールで鼻歌なんか歌いながら、のんびり仕事を全うする。
アールって人は基本的に仕事を楽しんじゃう人なんですね。
で、儲けたお金は気前よく! 自分の車買い替えたり、女買ったり、差し押さえられた家を買い戻したり、仲間と過ごすためにも使っちゃう。
女買うのも一人じゃなくて、同時に二人だったりして。
絶倫にもほどがあるわ(笑)
犯罪映画なんだけど、緊迫感より脱力感があるんです。珍しいですよね。
凄い傑作、という作品ではないですが、愛すべき映画でした。
まだまだイーストウッド御大の作品、観たいです!