わだげんた

運び屋のわだげんたのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.5
イーストウッドの新作をスクリーンで観られる幸せ。

しかし、御大88歳ですか。すごいなー。監督主演ですもんね。確かにスクリーンに映る姿は紛れもなくジジイではあるものの、まあ、そういう役だしね。

前の監督・主演作の『グラン・トリノ』はもう10年前の作品なんですね。早いなー、月日が経つのは(笑)

イーストウッドの役どころはユリ栽培に人生を捧げているアール・ストーンという男。アールが育てているユリはそれこそ一瞬しか花を咲かせることがなく、その一瞬のために、家族のことは後回しになっている。

娘の結婚式よりユリの品評会を優先。
そんな彼は当たり前だけれど、家族から距離を置かれている。

しかもアールの生きがいのユリ栽培もインターネットで売買する業者に圧され、借金を重ね、職を失い、ついには家さえも手放すことに。

そんな状態になって、ようやく家族の大切さに気づくアール。しかし、家族は相変わらずアールに心を閉ざしている。

そんなアールに転機が。ある男から運び屋をしてほしいと頼まれたのだ。託されたブツを指定の場所に運ぶ。

そんな簡単なことで大金を手にしたアールだったが…。ってお話。

ポイントはアールが年を取り過ぎていて犯罪者に見えないから、どんなヤバいものを運んでも誰にも疑われないってこと。

アールもアールで鼻歌なんか歌いながら、のんびり仕事を全うする。

アールって人は基本的に仕事を楽しんじゃう人なんですね。

で、儲けたお金は気前よく! 自分の車買い替えたり、女買ったり、差し押さえられた家を買い戻したり、仲間と過ごすためにも使っちゃう。

女買うのも一人じゃなくて、同時に二人だったりして。
絶倫にもほどがあるわ(笑)

犯罪映画なんだけど、緊迫感より脱力感があるんです。珍しいですよね。

凄い傑作、という作品ではないですが、愛すべき映画でした。

まだまだイーストウッド御大の作品、観たいです!
わだげんた

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